説明とは、相手の頭の中で理解を再構成すること:Explain(E)【連載8】
CODEフレームワーク
「ちゃんと説明したはずなのに、なぜか伝わらない。」
仕事をしていると、こう感じる瞬間があります。
資料も作った。
情報も整理した。
丁寧に説明もした。
それでも、相手の反応はどこか曖昧です。
「なるほどですね。」
「検討してみます。」
しかし実際には
理解されていないことも少なくありません。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。
よくある誤解
多くの場合、伝わらない原因はこう考えられます。
説明が足りない。
だから
・スライドを増やす
・資料を詳しくする
・文章を長くする
という対応が行われます。
しかし結果はどうなるでしょうか。
情報は増えるのに
理解はあまり進みません。
むしろ逆に
わかりにくくなることさえあります。
これはなぜでしょうか。
本当の問題
問題は説明量ではありません。
本当の問題は
理解プロセスが設計されていないこと
です。
説明という行為を
「情報を渡すこと」だと考えると
・情報を増やす
・資料を厚くする
・文章を詳しくする
という方向に進みます。
しかし人の理解は
このようには進みません。
人は
情報
↓
構造理解
↓
意味理解
という順序で理解します。
つまり
理解はプロセスなのです。
説明とは何か
ここで一つ重要な視点があります。
説明とは
情報を渡すことではない
ということです。
説明とは
相手の頭の中で理解を再構成すること
です。
例えば、優れた先生の授業を思い出してみてください。
良い授業は
いきなり知識を説明しません。
まず
・問いを提示する
・問題を示す
・背景を説明する
そしてその後に
・仕組み
・理由
・概念
を説明します。
つまり
理解が生まれる順序
が設計されているのです。
説明がうまい人の特徴
説明がうまい人は
言葉がうまいわけではありません。
むしろ特徴は別のところにあります。
それは
理解の順序を設計していること
です。
例えば
悪い説明はこうなります。
機能A
機能B
機能C
と情報が並びます。
しかし良い説明は違います。
課題
↓
原因
↓
解決方法
↓
結果
という流れで説明されます。
この違いは
情報量ではなく構造
です。
CODEの視点
CODEフレームワークでは
ここまでのプロセスを
4つの要素で整理しています。
C = Cognitive
O = Organize
D = Design
E = Explain
これまでの記事では
Cognitive
Organize
Design
を説明してきました。
そして最後の要素が
Explain
です。
Explainとは
説明のプロセスですが
ここで重要なのは
説明とは
理解を再構成する行為
だということです。
つまり
Cognitive
問題を認識する
Organize
情報構造を整理する
Design
構造を視覚化する
Explain
理解プロセスを完成させる
この順番で
理解設計が完成します。
理解プロセスは、さまざまな手段で実装される
説明のプロセスは
言葉だけで完結するものではありません。
図解
資料
映像
さまざまな手段によって
理解は形づくられます。
重要なのは手段ではなく
理解プロセスが成立しているかどうか
です。
その中で私たちは
この「理解の再構成」を
アニメーションという形で実装しています。
アニメーションは
・順序をコントロールできる
・関係性を視覚化できる
・理解の流れをそのまま見せられる
という特性を持っています。
これらの特性は
Explainで設計された理解プロセスと
非常に相性が良いものです。
つまり
Explainによって設計された理解の流れを
そのまま体験として提供できる。
それが、アニメーションという手段の位置づけです。
まとめ
Explainとは、単なる説明ではなく
理解を再構成するプロセスです。
情報を分解し
関係性を整理し
理解できる順序に並べ直すことで
人は「分かる状態」に到達します。
重要なのは
どのように説明するかではなく
理解プロセスが成立しているかどうかです。
そしてそのプロセスは
言葉だけでなく
図解や映像など
さまざまな手段によって実装されます。
私たちはその一つとして
Explainで設計された理解の流れを
そのまま体験として提供できる手段として
アニメーションを位置づけています。
次回予告
ここまでで
CODEフレームワークの4つの要素
Cognitive
Organize
Design
Explain
を一通り説明しました。
次回からは
この考え方を実際のコンテンツ制作に当てはめていきます。
今回見てきたように
理解プロセスはさまざまな手段で実装されます。
その中で次回の記事では
なぜホワイトボードアニメーションは
複雑な内容の説明に強いのか
を解説します。
理解設計という視点から
その理由を整理していきます。
著者プロフィール
金井雄三。ゼブラクリエイト代表。複雑な情報を整理し、相手の理解と判断を支えるための設計と表現に取り組む。ホワイトボードアニメーション制作や説明設計の実務を通じて、CODEフレームワークを提唱。
